チッピングとピッチング
PGAツアーやヨーロッパPGAツアーで活躍する世界の一流プロゴルファーでも、1ラウンドでパーオンする平均確率はほぼ13ホールである。ということは、1ラウンドにつき4回から5回はパー・セーブのためにチップかピッチを正確にしなければならないことになる。このクラスの競技になると、1ラウインドで1ストロークの差はシーズン獲得賞金にして5万ドルから50万ドルの差になりえるのだから、その違いは歴然たるものである。
ただ楽しみのためのゴルフをするハンディキャップの多いプレーヤーなら、1ラウンドでパーオンはせいぜい「2つか3つくらい」だろう。となると、ショートゲームの出来がスコアを左右する可能性を大きくする。たとえば、1ラウンドで12回ほどピッチかチップをする場面があるとしよう。たった50%の確率でもそこから3打ではなく「2打でホールアウト」できれば、1ラウンドで6ストロークは縮められることになる。ゴルフを職業にしているプロフェッショナルであれ、グリーン周りショット技術が上達すると、スコアップに大きく影響する。
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チップとピッチ・・・その違い
一般的に表現されているのは、ピッチとは「地面上より空中時間の方が長いショット」つまり高く打ち上げるショットで、転がりより空中を飛んでいる距離の方が長いものである。
逆にチップとは、「空中より地面上の方が長いショット」で、短い距離を飛び、その後長い距離の地面上を転がるものだ。弾道ということで言えば、すなわち「ピッチは高く、チップは低い」となる。スタイルからもこの2種類のショットを説明することができる。チップは通常、手首を固定したワンレバー・ストローク、一方、ピッチは少し手首のコックが加わりツーレバーを形成する。これは、絶対とは言えないが、一般的に正しい見方と言える。
チップとピッチの使い分け
「まず、パットでいけるかどうか。パットでは無理ならチップをし、ピッチは、それ以外に方法がない時にだけする最後の手段とする。」
この言葉の裏には、ボールを高く上げるより、転がす方がやさしいという基本的な考えがある。バックスイングを大きくとり速度が上がるほど、ミスが起こる可能性も増えてくる。