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自主トレテキスト抜粋(9)バンカー(その4)

グリップ
普通の、いわゆる“スプラッシュタイプ”のバンカーショット(砂と一緒にボールを出すバンカーショット)の場合、手の位置はサンドウェッジのフルショットと同じにする。しかし、手のポジションはそんなに単純ではない。

フワッとした柔らかいバンカーショットを打つ場合、クラブのトーがヒールを越してしまい砂にクラブが深く入り込まないように、左手を逆時計回りに(つまり左肩の方に)まわして“オープンフェース“ポジションにしてからグリップをする。これはワンナックル・グリップと言い、このグリップにすると、インパクトの時にフェースがかぶるのを確実に防ぐことができる。

手を普通のグリップポジションにする前にフェースを大きくオープンにしてから握ると、やはり同じような効果が得られる。どちらのやり方で調節をしても、その目的はトーがヒールを越えてしまわないようにするためである。もし、クラブが砂に触れる前にトーがヒールより先に出てしまうと、クラブはバウンスせずに砂にもぐることになる。

グリップ・プレッシャーは
プレーヤーが腕と身体を良く使うタイプか腕と手をよく使うタイプかによって変わる。また逆にタイプの違いがそのグリップ・プレッシャーを決めることにもなる。
強めに握るとあまり手を使わないようになる軽く握ると逆に手をよく使うようになる。

しっかりとした強めのグリップが良いという人は、このスタイルの方が安定した結果が得られるし、ずっと正確に打てると言う。軽いグリップが良いと言う人は、良いタッチや感触が得られると考えてそのやり方を選んでいる。どちらにするかは単なる好みによる。しかし、現代の一流プレーヤーたちには、手を使うより腕でスイングする人の方が多い。

エイム
エイムの原則については二つの異なる説がある。

  • サンドウェッジのフェースをスクエアにして、身体もターゲットラインに対しほぼスクエアに構える。全てのショットにおいて、ターゲットライン通りにスイングをする。このスイングスタイルの形と方向は、通常のピッチショットと同じようになる。
  • クラブフェースを除く全てをターゲットラインの左にエイムし、それから身体のラインと平行に、つまりターゲットラインの左にスイングする。しかし、クラブフェースはオープンなので、ボールには少しスライススピンがかかりターゲット方向に送り出される。どちらも効果的なやり方である。

もしインパクトでフェースをクローズにする傾向があり必要以上にクラブが砂に深く入ってしまうのなら、「左を狙い、フェースはオープンで、急角度なスイングでターゲットラインと交差するような打ち方」の方が効果的だろう。このやり方の方が一般的に教えられているテクニックであるクラブが砂に深く入りすぎて結局ボールがバンカーから出ないと言うようなとんでもないミスが起きる可能性が少ないテクニックだからだ。

しかし、スイングが急角度すぎても、また問題である。つまり、入射角度が急すぎると、クラブが単に砂に埋まって、ボールに十分な力が伝わらずバンカーから出せないのである。この急角度すぎるディセンディング・ブローは、特に荒れたバンカーや固いバンカーでは危険が大きい。クラブがボールの下に滑り込まずに砂の表面で急にバウンスしてブレーディドショット(トップボール)になり、グリーンをオーバーしてしまうことがある。

バンカーから飛び出す時のボールの方向を決定するのが何かについて。
様々な意見がある。スイング軌道(パス)、もしくはクラブフェースがボールの方向を決定するのだろうか。スイング軌道だと唱える人は、クラブフェースは直接ボールに触れないのだからボールの飛ぶ方向に影響しないと主張する。一方、クラブフェース派は、インパクト時のフェースの向きと同じ方向にボールが飛んでいくと思っている。正しい答えは、全てのゴルフショットに共通するものである。つまり、方向はパスとフェースの組み合わせによって決定される。しかしながら、バンカーショットはスピードのあるショットではない(砂が力を和らげ、クラブヘッドのスピードが遅くなる)のでボールの方向はパスよりもフェースの向きによって決まってくる。もしクラブフェースをクローズにして砂を打てば、砂の粒は左に飛んでいく(リバウンドの法則)。フェースをスクエアにしたなら、砂は真っ直ぐに、フェースをオープンにすれば砂は右に行く。同じように、フェースポジションはボールの方向をも決定する。砂の飛ぶ方向を見れば、ボールがどの方向へ飛んでいくのかを知ることができる。

スタンスをオープンに構え、左にエイムを定めれば、入射角度がより急になり、ブレードがボールの下に入りやすくなる。飛球線に対しインサイドからのスイングをする人は、より浅いダウンスイングプレーンでクラブヘッドが降りてくるので、ボールの下から砂をとることなくクラブのリーディングエッジをボールの中心に直接当てる可能性(トップボール)が高くなってしまう。

エイムを左にとったのに合わせてクラブフェースをオープンにすると、インバージョンがより大きくなり、ソールをもっとバウンスさせることができる。このやり方だと、クラブが砂に深く張り込んで、ヘッドが止まり、その結果ボールにほんの少しの力しか伝わらず、バンカーから出せなくなるということを防げる。

 セットアップ
かなり力強いスイングをするなら、足をしっかりと固めることが大切である。スイングの土台が弱く、両足が動いてしまうと、恐らくミスショットになってしまうだろう。だからセットアップにおける第一歩は、まず足をしっかり砂に入れることである。こうするとゴルファーの両足はボールよりほんの少し低くなり、クラブヘッドがボールの下にすっと入り、通りやすい高さになる。

ボールの位置は前の方へ、つまり左足内側のライン上に置くべきだとは多くのプレーヤーが揃っていうことだ。

しかし本当に大切なのは、身体の中心から下ろした垂線に対してどこにするかということである。アドレスで体重を右サイドにかけるプレーヤーは、ボールを両足の真ん中にする傾向がある。

逆に左サイドにかける人、ボールはもっと左にするだろう。

つまり、垂直に下ろした身体の中心線から4~6インチくらい左である。しかし、もう一度言うが、スイングに伴ってどのくらい左から右への体重移動を行うかによっても、ボールの位置は変わってくる。

ボールを左にするだけでなく体重も左に多くかける人は、入射角もより急になり、身体がボールの近くになるので、ソールの広いバウンスタイプのサンドウェッジを好むだろう

体重を両足均等にかけるバランス取れたセットアップポジションをとる人、もしくは右サイドにかける人は、より浅いスイングになり、砂を長く薄くとるだろう。

こういうスタイルをする人は、普通、狭いフランジのサンドアイアンを選ぶものである。

スイング
これまで見てきたように、グリップ、エイム、セットアップがスイングスタイルに影響を与え、そして、そのスイングスタイルはプレーヤーによって違う。しかし、スイングの形もまた違うのである。ある人は早くリストコックをし、スイングを急角度に降ろし“V字型”のスイングをつくる。普通のピッチショットのようにクラブをスイングする人は、“U字型”のスイングをすると言える。

急角度の“V字型”スイングをするとボールは高く上がり、柔らかく、距離はあまり出ないのに対し、“U字型”スイングは、低い弾道で、同じくらいの距離を少しの力で出すことができる。

“U字型”スイングをするイメージは砂でできた大きな皿の中でスイングするイメージ、“V字型”スイングは、大きなティーカップの中でスイングするイメージを持つ。このふたつのスイングの形の違いは距離をコントロールする方法のひとつである。

ピッチショットのフルスイングのように、スタイルのひとつとして、手と手首はしっかりと固定し、身体の動きを沢山使ってバンカーショットをするプレーヤーもいる。あるいは、もっと緩いグリップにし、手首と腕を積極的に使うスイングをする人もいる。

筋力の強さによって選ぶべきスタイルは変わってくる。安定したスイングをするには筋力が必要である。筋力があればしっかりとしたグリップで身体を十分に使ったスイングをし、筋力があまりないプレーヤーであれば、グリップは少し緩めで、腕を使ったスイングスタイルを選ぶのが普通だろう。これらは一般的な考察であって、例外も沢山あるということも心に留めておいてほしい。