距離のコントロール
バンカーショットで距離をコントロールする方法には、次のような5つがある。
- 入射角度(アングル・オブ・アプローチ)
距離が短い時は急角度で、距離が長くなれば浅い角度で。 - ブレードポジション
短い距離には、フェースをオープンにするか、フェースを寝かせてロフトを大きくする。長い距離には、フェースをクローズにするか、かぶせてロフトを小さくする。(注:芝からのショットと同様、ボールの位置によってロフトは変わる。右寄りにすればロフトは小さくなり、左寄りにすればロフトは大きくなる。) - バックスイングの大きさとペース
大きいバックスイングは、小さいスイングよりもっと大きな力を生み出すことができ、ボールをもっと遠くへ飛ばすことができる。一方、ペースも同じように結果に影響を与える。ゆっくりとしたペースで大きなバックスイングをする、もしくは速いペースで小さいバックスイングをすることで、小さいスイングでも大きなスイングと同じだけの距離、あるいは更に遠くまで飛ばすことができる。このように、ペースとバックスイングの大きさをうまく組み合わせることが必要である。 - 砂の量
ボールより後ろ(4~6インチ)を叩いて砂を多くとれば距離の短いショットになり、ボールの近く(1~3インチ)を叩いてとる砂の量を少なくすれば距離のあるショットになる。しかし、心に留めておいてほしいのはボールの近くをヒットすると距離は出るがスピンも多くかかり、ボールは地上で早くに止まってしまうことを覚えておきたい。 - フォロースルーの大きさ
短いフォロースルーは、大抵インパクト時にスピードが落ちた結果であり、大きいフォロースルーはスピードがあり距離も出ていることの現れである。どちらにしても、バックスイングの大きさはフォローすると同じくらいにするべきである。
難しい場所からのスペシャルショットを打つ場合には、しばしば上のコントロールスタイルを二つ以上組み合わせて使うことが必要になる。
★フェアウェイ・バンカーショット
ボールがフェアウェイ・バンカーの中にあり、ショットの目的が距離を得ることであれば、基本的な原則が変わる。通常の“グリーンサイド・バンカー”ショットだったら、必ず先に砂を捉えるようにしなければならないが、“フェアウェイ・バンカー”ではボールが先となる。色々な調節の多くはそのためのものである。
まず、フェアウェイ・バンカーのあごを安全に越すには、それに十分なロフトのあるクラブを選び、以下のような調節をする。
まずライを確認する。良いライなら、あまり調節を加えずに通常のスイングをする。まあまあのライなら少し角度のあるスイングにする必要があり、ひどいライの場合は、フェアウェイに出すだけにする。
- 足元を、特に右足をしっかりさせる。
- 砂に足を入れた深さと同じ分だけクラブを短く握る。
- ボールポジションはスタンスのより中央寄りへ。
- 普通のショットのようにややハンドファーストにして、ひざはあまり深く曲げずに、すっと立った感じにする。
- ガラス板の上のボールをほうきで掃くかのようにショットする。
「ボールの中央線より下、砂より上」の位置でボールとコンタクトするというイメージを描くとよい。もしライが悪く、もっと急角度にクラブを振り下さなければならない場合は、クラブフェースをややオープンにして、左にエイムをとり、一番手大きいクラブを使う。そうすれば、トーが先に来てクラブが深く砂に入ることなく、ヒールが先に来てバウンスしやすくなる。
- グリーンサイド・バンカーでするように、ボールより後ろに想定したスポットを見るのではなく、ボールのフロントエッジ(左縁、つまり狙っている方向の縁)を見るか、ボールより少し前方を見るくらいにすると、確実に砂より先にボールにクラブをコンタクトさせることができる。
バンカーでの心理学
失敗するのではないかという怖れを抱くと、筋肉には緊張が生まれる。
この緊張は筋繊維を収縮させ、身体に力が入る。身体に力が入ると、スイングが自由にできなくなり、ショットが成功する確率は下がる。否定的に考えたり悪いイメージを描いたりすると、バンカーで良いスイングができなくなってしまう。
気楽にリラックスし、そしてまた上手にバンカーショットができるという自信がなければそのリラックスもできないのである。